ご自身にもしものことがあった場合、財産や遺族、死後の手続き、飼っているペットのことなど……心配に思われることは人によってさまざまです。亡くなった後の心配事を任せたくても、身近に頼れるご親族がいない、親族はいるが迷惑をかけたくないという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、お元気なうちに遺言書の作成や死後事務委任契約の締結をしておくと安心です。これらはご自身が逝去された後、遺産の相続手続きや葬儀の方法を希望通りに進めるのに役立ちます。
こちらのページでは、生前対策となる遺言書と死後事務委任契約についてご説明いたしますので、参考になさってください。
相続についての意向を実現するための「遺言書」
遺言書を作成することで、ご自身の財産の分割方法や、特定の相続人に相続させたい、特定の団体に寄付したいなど、遺言書を作成した人(遺言者)の死後にその意向を実現することが可能となります。
遺言書(普通様式)は主に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つの種類に分けることができます。この中でも公正証書遺言は、遺言者の口述を基に法律の知識を持つ公証人が文書化するもので、方式不備によって遺言書が法的に無効となる心配がありません。また作成した遺言書の原本は公証役場に保管されるため、紛失や第三者による改ざんも防ぐことができます。
ただし、遺言書を作成したとしても、残された相続人や受遺者が遺言内容に従って相続手続きを進めてくれない恐れもあります。このようなトラブルを避けるために、遺言書の中で「遺言執行者」を指定しておくと安心です。遺言執行者に遺言内容を実現させるために率先して手続きを進めていく存在ですので、信頼のおける人を指定しておくとよいでしょう。
死後の手続きを任せるための「死後事務委任契約」
生前のうちに「死後事務委任契約」を締結しておくと、葬儀・供養の手配やライフラインの解約手続き、ご自宅の片づけなど、ご自身の逝去後に必要となるさまざまな手続きについて希望を伝えることが可能となります。また、相続の専門家に死後事務委任契約を依頼することで、相続についての手続きを代行してもらうこともできます。