大変な相続手続きを1人で進めようとしていませんか?
相続の場面は、人生でそう何度も遭遇するものではありません。そのため、正しい相続手続きの進め方について熟知されている方はあまり多くのが事実です。
「自分だけで手続きを進めよう」「親族の仲は良いから、揉めることはない」と思い込み、誰の手も借りずに相続手続きを進めると、思いもよらないトラブルが発生する可能性が高いのです。
ここでは、相続手続きを1人で進めるとつまずきやすい点や、気を付けるべきポイントをご説明します。
相続手続きは必要な作業が多く、時間がかかる
相続は、全ての作業が完了するまでに平均4~5か月ほどはかかってしまい、なかなか簡単にはいかない手続きとなっています。
被相続人が所有していた財産の数や種類が多い場合は、さらに手間も時間も取られてしまうのです。相続手続きで行わなければならない作業について下記でひとつひとつお伝えいたしますので、よりイメージを持っていただきやすいかと思います。
戸籍収集
相続が開始したら、まずは各市区町村の役所から戸籍を収集し、相続人を確定させます。
これを読んでいる方の中には、「被相続人は自分の親や親族だから、わざわざ戸籍を取り寄せて調べる必要なんてないよ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その後に行う預金・不動産の名義変更、相続税申告といった手続きにおいて、自身が間違いなく相続人であるという事実を証明するために戸籍謄本の提出を求められます。
そのため、基本的に省略することができない手続きなのですが、初めて相続を経験された方ですと見落としがちなポイントでもあります。
さらに、相続手続きにおいて収集しなければならない戸籍は、「被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本全て」、そして「相続人にあたる者全員分の戸籍謄本」です。戸籍謄本は本籍地単位で管理されているので、被相続人が生前に引越し、転勤といった理由で戸籍が本籍地が変わっているのであれば、それぞれの本籍地から取り寄せる必要があります。
また、過去に戸籍法が何度か改正されており、そのタイミングで改製(様式の変更)が行われていますので、これらも含めた一連の戸籍謄本をそろえる必要があります。収集する戸籍が1通で済むケースは稀で、ほとんどの場合、戸籍を読み解いて遡っていきながら、各役所から何通もの戸籍を取り寄せなければならないのです。
財産調査
ここでいう財産調査とは、被相続人の財産を全て洗い出し、相続財産の総額を確定させることです。相続人で分割することとなる対象の財産を漏れのないよう探し出さなければなりません。
相続財産は預金や現金といったもののほかに、不動産、自動車といった様々な種類の財産が対象です。しかし、これらを一括で見つけ出せる方法はなく、ひとつひとつ心当たりのある場所を地道に見つけ出すしかありません。
また、これらのプラスの財産だけではなく、借金や債務といったマイナスの財産も相続の対象ですので注意しなければなりません。
遺産分割協議
相続人と財産の総額が確定したら、相続人全員で集まって「遺産分割協議」を行い、誰がどの割合で財産を取得するかについて確定させる必要があります。そして、遺産分割の方針について記載し、相続人全員による署名捺印をする「遺産分割協議書」という書面を作成します。その後の各種手続きで遺産分割協議書の提出が求められるので、必ず作成しなければなりません
- 各機関によって提出書類は異なる場合があります。
財産の名義変更
遺産分割協議書に記した方針に従って、預貯金や不動産等の名義変更を行います。特に、不動産を相続した場合は注意が必要です。
2024年4月より「相続登記(相続した不動産の名義変更)」が義務化され、遺産分割方針が決定してから3年以内に相続登記を行わない場合は過料の対象となります。今後「面倒だから」と手続きを放置することができなくなるため、十分に気をつけましょう。
家庭裁判所での手続きが必要なケースも
もし、「被相続人が遺した遺言書が出てきた」「相続人の中に、意思能力が無い者や未成年者がいる」のような事情があるときは、家庭裁判所による手続きを経たうえで相続手続きを進めなければなりません。
この手続きだけでも数か月かかってしまうことがあるため、より自分だけで手続きを進めることは難しくなっております。
このように、相続手続きは書類の収集だけでも各所に何度も赴く必要があり、負担が大きいのが特徴です。特に日中お仕事をされている方は、平日に役所や窓口等に出向く時間を確保しにくく、相続手続きをご自身だけで終わらせるのは現実的には厳しいかもしれません。
トラブルが起こるリスクが高い
相続手続きでは、専門的な知識が必要となる場面が少なくありません。また、相続は金額の大きな財産を扱う場面でもあるので、誤った手続きや不十分な手続きをしてしまうと親族から不信感を持たれ、親族間でのトラブルに発展する可能性もあります。
相続手続きを自分だけで進めた場合に生じやすいトラブルの例
- 被相続人のキャッシュカードを使用して葬儀代に必要な預貯金を引き出したところ、他の親族から疑いの目を疑われてしまった
- 「自分に優位になるように手続きしているのではないか」と思われてしまった
- 相続税申告が必要になることに気づかず、後から税務調査が入った
- 親族間の話し合いをうまくまとめられず、親族仲がこじれてしまった
大切なご家族、親族を亡くされたのは相続人みな同じです。だからこそ、親族間で揉めてしまい最悪の結果となってしまうことは避けたいものです。相続手続きは専門家の力を借り、他の相続人の考えにも気を配りながら、慎重に行うべきであるといえます。
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相続手続きを自分だけで進めることは大変であり、またいくつもリスクが伴うことをお伝えしました。もし、「相続手続きを自分だけで進めようと思っているが、不安だ」「とりあえず話だけでも聞きたい」と感じた方は、まずはお気軽に小郡・朝倉相続遺言相談センターの無料相談にお越しください。
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